近況のご報告/なぜ、今、若者を育てるのは難しいのか? category:コラム update:2024.08.26
ご無沙汰しております。志コンサルティング株式会社の志村智彦でございます。
酷暑もいよいよ終わりの時期に差し掛かっておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
今回のコラムでは
1、近況報告/学び直しの実践で見えてきたもの
2、学び方の未来である越境学習
3、なぜ、若手を育てるのはいま難しいのか?
4、雑誌『人事の地図』に掲載されました
をお送りいたします。
■学び直しで自信が湧く。
私は2024年3月末で、法政大学大学院のMBAコースを卒業しました。
1年間の毎日平日(月〜土)の6日間の9時〜18時+ 毎日宿題3時間という
ブラック企業のような生活習慣で1年を過ごしました。
その結果、論文で優秀賞をいただくことができました。
ダメ青年からの中年で大逆転。
さすがに自信が湧きました。
そして、先日、法政大学大学院のイノベーションマネジメント研究科の
来年度の学生募集のパンフレットに掲載していただきました。
大学院での学びで良かったことは
視野が広がったことです。
よりマクロな視点(世界、国の視点)から物事を捉えることができる様になった事
研究の基本的なやり方や流儀がわかり、自分の専門性をより深めていく方向性がわかりました。
■越境学習が注目を集める理由
さて、大学院のように、様々なバックグラウンドの方と学び合う学習を
最近では、「越境学習」といったりします。
現在、人的資本経営の中でも「リスキル(学び直し)」などの文脈が出ており、
このキーワードもちらほら目にします。まだまだ、一般的に広まっていませんが、
組織のイノベーションを産むために注目が集まっています。
イノベーションの概念を提唱したシュンペーターによると、
日本語で「新結合」と表現されています。
越境学習の効果として、既存の組織や文化から出た時に、
新たな出会いや発見が、「新結合=イノベーション」につながり、
組織の活性化につながることもあり、注目が集まっています。
越境学習は、何も大学院にいくだけでなく、
「外部の勉強会」「副業する」「社内の他部門とプロジェクトをする」など
横のつながりで学び合うものも多くあります。
働き方改革で管理職の負荷も高まっていることで縦だけの教育だけでなく、
横の教育にも注目が集まっています。
越境学習の内容はまた、お送りいたしますね。
■なぜ、若手を育てるのはいま難しいのか?
みなさんは、この本を読んだことがありますか?
「なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか 〝ゆるい職場〟」
古屋星斗 著
人材育成に関わる人は、必ず買ってください。
古屋さんは、リクルートワークス研究所の主任研究員の方です。
経産省の出身でいま、最も熱い人事分野の研究者です。
この本の衝撃は
・Z世代は二極化もしている。
・Z世代を一括りにした世代間議論は不毛。
・若者が変わったのではない、職場が変わった。
・職場が変わった一番の理由は法律が変わった。
とデータ分析をもとに解説していくので説得力があります。
働き方改革がもたらした職場の「ゆるさ」と育て方の改革について論じています。
そして、この本の中で、
「キャリア安全性」という古屋氏のオリジナルの提言が出てきます。
・働き方改革でゆるい職場が生まれた
・ゆるい職場で飼い殺しにされる不安
・成長実感がもてないと、キャリアが不安になる
・逆にエンゲージメントが高い人が退職し、低い人が残る現象が生まれている
という感じで、これもデータで解説しているわけです。
どうやってキャリア安全性を高めればいいか?
それは、
『質的な負荷(チャレンジな)の高い仕事』を、
『長時間労働や理不尽さなど』を排除して与えるかと言っています。
もう、この本では
•マネジャーだけに育成責任を押し付けるな。
•若手本人だけで考えさせるな。
など、構造の問題としては若手の育成問題を捉えています。
長くなりそうなので、また来週お送りします。
先を気になる方は是非、本を購入してみて下さい。
■人事の地図 6月号に乗りました。
人事の専門誌でもある人事の地図に掲載されました。
私のコラムを2つ寄稿し、掲載していただきました。
「なぜ、経営戦略に沿った人材開発が難しい理由」と「経営戦略を実現させる教育研修設計」というテーマで
それぞれ5ページ、合計10ページ (約1万字)のコラムを書かせていただきました。
こちらの内容を少人数制のランチセミナー@オンラインで実施いたします。
ご飯食べながら、ゆるりとご参加下さい。
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なぜ、経営戦略に沿った人材開発が難しい理由 &経営戦略を実現させる教育研修設計
9月4日水曜日 12:15-12:45
@ オンライン /参加費 無料
参加方法:ご返信ください。
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■最後に
この夏、改めて、自社の理念を考え直しました。
そこで
『大切にしたいものを大切にできる人生の探究』と捉え直しました。
人生100年時代に入り、仕事だけが人生でないという認識が広まってきました。
企業も個人の多様性を認める時代です。
大切にできる働き方の探究ではなく、人生としたのは、
もっと広い意味で捉えたいと思いました。
私自身も、育休産休で一年、大学院で一年と
この2年間は仕事を大きくセーブしてきましたが、
『自分の中で大切にしたいもの』が根底にあります。
大切なものを大切にして生きていこうとすることは、葛藤も生まれます。
これは社員だけでなく、経営者も同じです。目先のキャリアから外れて、家族のケアをする。
大きな受注を捨てても、自社のビジョンを優先する。
そこに大きな決断と、苦痛があるため、
大切にしたいものを大切にするのは、
強さと信念がいると思いました。
多様性の時代だからこそ、
自分は何を大切にしたいのかを考えることが重要です。
こうした問いは、経営者、人事、働く人、
求職者など常に問われる時代になっていると想います。
改めて、こうした問いを伝えていくことを
事業の根本としてこれからもやっていこうと想います。
お読みいただきまして、どうもありがとうございました。