オンライン説明会の流れと時間配分【オンライン説明会のやり方②】

このブログでは、志村智彦(志コンサルティング)と谷出正直(採用研究所・所長)が、
「人事が変われば、組織が変わる、組織が変われば、働く人が幸せになる」
というテーマで、人事担当者や経営者の方向けの採用や教育の情報をお届けして行きます。

※本内容はyoutubeから抜粋し、志村・谷出の対談から記事を作成しています
※動画でご覧になりたい人はこちら↓

前回から、全4回にわたって「オンライン説明会」の設計の方法についてご説明しています。
※新卒採用向けにお伝えしていますが、中途でも活用できる部分もありますので置き換えてご覧ください。

<前回の記事はこちら>

【オンライン説明会のやり方①】オンラインでも採用を成功させる手法と観点

今回は、実践編ということで、「オンライン説明会の時間の設計」について、
データを交えながらお話をしていきたいと思います。

採用活動を行うにあたり、「まず会社説明会自体をどう設計するか?」ということがよく議論されますが、
説明会の設計においては、そもそも「選考フロー」全体を見ていく必要があります。

選考フローから見る説明会の位置付け

こちらの図で表しているものがいわゆる一般的な「選考フロー」と呼ばれるものです。
採用活動において、企業が実施する内容を時系列で表したものとお考えください。

コロナショック以降、「説明会(インターンシップ)」「一次・二次選考(面接)」のオンライン化が進みましたが、
それによって重要になってくるのが、こちらの選考フロー図の中では表されていない、「説明会の前後」の対応です。

前回の記事でも、オンライン上でのコミュニケーションの特徴についてお話をしましたが、
オンラインでの説明会には、「気軽に場所や時間を選ばずに参加できる」という利点がある一方、
しっかりと意図して設計をしないと、「自分も相手も「伝わった感」が得られない」ということが起こりがちです。

だからこそ、オンラインの利点を生かし、説明会当日だけではなく、説明会の前後にもしっかりと対策を行うことで、
説明会を「1回のイベント」として終えるのではなく、内定・入社までの一連のプロセスとして運営をしていく必要があります。

それでは、説明会の前後の対策として、具体的にどのようなことを行ったら良いでしょうか?<説明会 当日までの事前対策>

<説明会前:当日までの事前対策>説明会に参加したくなる事前情報の提供

オンラインの説明会の場合は、気軽に参加できるからこそ、気軽にキャンセルや日程変更をされてしまうことも想定されます。
だからこそ、説明会に参加したくなるような情報を前もって提供するなどの対策が必要不可欠です。

たとえば、「説明会ではこんな話が聞けますよ」という予告や、「こんな人に会えますよ」という人物紹介などを
撮影した動画のURLをあらかじめメールで送っておく、などが挙げられます。

<説明会後:参加後のアフターフォロー>説明会の内容を定着させる情報の提供

説明会に参加してもらった後は、伝えた内容を定着させ、より関係性を深められるような情報の提供が効果的です。

たとえば、より理解を深めてもらうために、追加で見てもらうと良い資料を提供したり、
説明会の時にお見せした資料やデータが実際に掲載されているサイトのURLを貼って、
もう一度見たい方はこちらから確認してくださいね、と案内することなどもできます。

以上のように、ただ単に選考フロー内の「説明会」をオンライン上で開催する、というだけではなく、
オンラインの利点を活用し、前後でもコミュニケーションを図ることが大切です。

その際には、前回の記事でご案内したこちらの「同期型・非同期型コミュニケーション」の手法を
効果的に組み合わせながら、自社にあったコミュニケーションを構築し、求職者の会社理解の促進や
動機付けを行っていただけたらと思います。

オンライン説明会では何を伝えれば良いのか?

いよいよここから、具体的な説明会の設計についてお話をしていきますが、
「どのくらいの時間で開催すれば良いのか?」ということを考える前に、
そもそも「オンライン説明会では何を伝えれば良いのか?」ということについて触れておきたいと思います。

これについては、非常に参考になるデータがありますのでご紹介します。

【参考】マイナビ「22年卒 学生就職モニター調査」21年5月

こちらは、学生が企業の説明会においてどんなことを聞きたいと思っているか、という調査結果です。

1位 具体的な仕事内容
2位 社風・社内の雰囲気
3位 企業が求める能力・人物像
4位 入社後のキャリアモデル

いかがでしょうか?
あなたの会社の説明会では、これらの内容を求職者に伝えていますか?

多くの求職者が知りたいポイントでもありますので、企業側はこれらについて
しっかりと情報発信をしていくことが重要となります。

しかし、「伝える」と言っても、ただ説明をする、項目を羅列するだけでは意味がありません。
求職者の心に響くのは、単なる事実や情報の「説明」ではなく、
それが求職者側にとってどういうメリットがあるのか、どのような利点があるのか、という点です。

それにもかかわらず、いまだに、ホームページやナビサイトに書いてあるような
会社の情報やデータを紹介して終わり、という説明会を行っている会社も少なくはありません。

そうなると、求職者側からしてみれば
「それはホームページで見たことあるよ…」
「もっと詳しい話が聞けると思ったのに」
という不満につながってしまいますよね。

だからこそ、説明会においては、具体的な仕事の詳細などは説明をしつつも、
その仕事をすることで、自分にとってどんなメリットがあるか(たとえば、○○のように成長できる、視野が広がる、など)を
想起させるような内容を伝えることが重要となります。

情報をインプットするだけだと「そっか、そうなんだ」で終わってしまいますが、
自分にとってのメリットをイメージできると、「この仕事をやってみたい」「ここで一緒に働いてみたい」という意欲につながります。

企業説明会を「会社の情報を知ってもらう場」として終わらせるのではなく、
求職者に「一緒に働きたい」と思ってもらうための機会として捉えることで伝えるべき内容が見えてきます。

「オンライン説明会」は、○○分以内がベスト!

「選考フローを踏まえた説明会の前後の対策」と「説明会で伝えるべき内容」が準備できたら、
いよいよここで、「オンライン説明会の時間設計」を行っていきます。

ちなみに、これまで行われていた、対面形式の会社説明会の場合、
一般的な時間設計は「1時間半〜2時間程度」と言われていました。

それでは、オンラインでの会社説明会の場合はいかがでしょうか?

「対面形式の説明会と同じでいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
こちらでも、データを踏まえてお話をして行きたいと思います。

会社説明会の適切な時間(学生モニター調査)

【参考】株式会社ディスコ キャリタス就活2021学生モニター調査結果(2020年4月号)

こちらは、2021年卒の学生に行った「会社説明会の適切な時間」の調査結果です。

1番上の「会社説明会」は、対面形式で行う従来のオフラインの会社説明会を指しています。
2番目の「ライブ配信」が、zoomやTeamsなどを活用して行うオンライン上の説明会です。
3番目の「オンデマンド配信」は非同期型コミュニケーションとしてご紹介をした、動画等を自身の都合の良いタイミングで閲覧する形式となります。

それぞれを見ていくと、
対面形式の会社説明会については、「1時間未満」という回答が約26%であるのに対し、
ライブ配信の場合は「1時間未満」という回答が約70%、オンデマンド配信の場合は約79%を占めています。

この調査結果からも、
対面でのコミュニケーションの場合は、1時間半〜2時間、話を聞くことは容易であるものの、
オンラインの場合で1時間以上の集中力を保つことが難しい、ということが読み取れます。

ちなみに、私志村はこれまで20年以上、映像や教育教材の制作に携わってきましたが、
この点については非常に実感をしています。

たとえば、テレビCMなんかをイメージしていただくとわかりやすいかと思いますが、
番組構成を見てみると、大体15分に1回程度はCMが入りますよね。
つまり、60分に4回はCMが入っているということになります。
これも、長時間の番組視聴は視聴者にとっては困難であるからと言えます。

「会社説明会」となると、企業側としては、求職者に会社のことを知ってもらうせっかくの機会だからこそ、
色々なことを伝えたい、と思われるかと思います。
それゆえに、オンラインでも、ついついたくさん喋ってしまい、時間が長くなってしまいがちですが、
参加者側の集中力が続かなかったとしたら…どうなるでしょうか?

せっかく準備して伝えた内容も求職者の頭には残らず、
会社への興味関心を醸成できないまま説明会が終わってしまう…ということも起こり得るんですね。

だからこそ、オンラインでの説明会については、
まずは長くても60分以内に収める、と予め設計しておくことをお勧めします。

もしくは、適宜休憩を挟みながら、集中力を維持できるような運営を心がけてみる、
15分ずつぐらいでテーマを変えて話してみる、など、
参加者が長時間と感じないような工夫をしてみるのも良いでしょう。

オンライン説明会の考え方と作り方のポイント

以上を踏まえた上で、オンライン説明会を作る際には、
どこからどのように取り掛かって行ったら良いか、というポイントについてお伝えをしていきます。

<準備編>

●説明会で伝えることを整理する

まず、説明会を通して、求職者に何を伝えるのか、ということを整理しましょう。

その際には、冒頭でもお話ししたように、求職者が、自分自身にとってのメリットを
イメージできるような内容を伝えることが大切です。

ただ事実や情報、データを話すのではなく、
「考える」きっかけとなるような情報提供を意図していただけたらと思います。

その上で、今度は「その内容を伝えるタイミング」を精査していきます。
説明会の「当日」なのか、「前」「後」で伝えるべきなのか。
もしくは「採用広報」の時点で伝えておいたほうが良いのか。
「面接」の時に伝えるのか、「内定を出す直前」に伝えるか…など。

伝えたいことは必ずしも全て会社説明会で伝える必要はありません。
むしろ、伝えたいことを全て詰め込んでしまった結果、説明会が3時間になってしまった!となると、
求職者の心に響かせることや興味関心を持ってもらうことが非常に難しくなってしまいます。

伝えることを整理した上で、選考フロー上のどの段階でその情報を伝えるのか、
伝える手段として、ライブ配信がいいのかオンデマンドがいいのか、対面がいいのか、
ということも検討をしていきます。

●説明会に登壇する人を決める

実際に説明会で誰が話をするのかを予め決定しておきます。

スムーズな進行のために、できれば「司会進行をする人」「メインで話をする人」「現場の声を話す人」など役割分担をしておくのもお勧めです。

説明会は誰が話しても同じ、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
実際には、「誰が伝えるか」ということは非常に重要です。

オンラインの場合は特に、人柄や温度感などが伝わりにくいため、
その内容を伝える人が実感値を込めて自信を持って話をすることができる、
ということは、対面時よりも重要となってきます。

<説明会:事前対応編>

●説明会の予約者に、事前に動画やメールを送る

開催前に当日の詳細などをメールでご案内する際に、
登壇者の自己紹介や説明会の内容、事前資料などを予め提示しておきます。
事前に質問などを受け付けておくなども良いでしょう。

これによって、求職者の興味喚起や関係構築、会社への理解促進などにつなげることができます。

<説明会:当日の流れ編>

当日はおおよそこのような流れで進行をしていきます。

●挨拶
●事前連絡:説明会の目的、参加者への依頼事項、頭の体操
     :参加目的の言語化、グランドルール、アジェンダ
●各種説明
●まとめ
●質疑応答
●連絡事項
:アンケートへの回答依頼、次回選考の案内

大切なステップの一つが「事前連絡」です。

ここでは、この説明会で参加者の方々に何を知っていただきたいのか、という
説明会の目的を企業側から発信する、ということが重要となります。

これは企業と求職者間のミスマッチを防ぐためでもあります。

今回の説明会の趣旨や知っておいてもらいたいことを求職者が理解しないまま進行してしまうと、
「今日は社長から話が聞けると思っていたのに…」
「もっと○○な話が聞きたかったのになぁ…」
というような不満が出てきてしまうことも想定されます。

予め、今日の説明会がどのような目的のものなのかを伝え、
求職者にも理解してもらいながら進めることが重要です。

また、こちらから目的を伝えるだけではなく、
求職者自身に「この説明会に参加する目的」を明確にしてもらうことも必要です。

「なんとなく参加しました」というように目的が曖昧な状態だと、
せっかく説明会に参加をしても、求職者の中には「なんとなく」の記憶しか残りません。

会社のことを知りたいのか、仕事について知りたいのか、
事業自体が気になっているのか…人それぞれ興味関心を持ったポイントは異なります。

だからこそ、「今日は何を知りたくて参加したのか」ということを書き出してもらう、
発表してもらう…など、考え、アウトプットする機会を作ることができると良いと思われます。

もし、自分の知りたかったことが説明会の内容では得られない場合は、
最後の質疑応答の時間に確認してもらうこともできますし、

説明会の中で得たいものが得られた場合には、
「今日は説明会に参加してよかった」と思ってもらえます。

ぜひ、求職者自身に説明会の参加目的を言語化してもらう、ということを取り入れてみてください。

<説明会:事後フォロー編>

●参加者に「参加お礼メール」を送る

説明会の開催後は、参加者にお礼メールを送ります。

その際には、説明会の映像や資料、補足情報などを併せてご案内すると、
説明会の内容を定着させ、動機付けすることにもつながります。

また、説明会当日では回答しきれなかった質問へ回答したり、
次回選考をご案内するなど、説明会で関係性を途切れさせず、
次につながるようなコミュニケーションを取ることも大切です。

その際には、できるだけ早めに連絡を入れるようにしましょう。

まとめ

第2回目では「オンライン説明会の時間構成」についてお話をいたしました。

次回は、この「オンラインの特徴」をもう少し掘り下げながら、
対策編をさらに詳しくお伝えしていきたいと思います。

ぜひ次回もご覧くださいね。

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