オンライン説明会での効果的な伝え方/進行方法やファシリテーションの技法【オンライン説明会のやり方④】 category:コラム update:2022.01.19
このブログでは、志村智彦(志コンサルティング)と谷出正直(採用研究所・所長)が、
「人事が変われば、組織が変わる、組織が変われば、働く人が幸せになる」
というテーマで、人事担当者や経営者の方向けの採用や教育の情報をお届けして行きます。
※本内容はyoutubeから抜粋し、志村・谷出の対談から記事を作成しています
※動画でご覧になりたい人はこちら↓
全4回にわたって「オンライン説明会」の設計の方法についてご説明しています。
※新卒採用向けにお伝えしていますが、中途でも活用できる部分もありますので置き換えてご覧ください。
前回までの記事はこちら
【オンライン説明会のやり方①】オンラインでも採用を成功させる手法と観点
【オンライン説明会のやり方②】オンライン説明会の設計方法
【オンライン説明会のやり方③】WEB採用で選ばれる会社になるためには?説明会・動画・面談の効果的な使い分け!
Contents
オンライン説明会のクオリティをアップするテクニック集
シリーズ最後となる第4回目の今回は、「オンライン説明会のクオリティを高める具体的なテクニック」についてお伝えして行きたいと思います。
ぜひ、オンライン説明会の設計にご活用ください。
①話しやすい内容、反応しやすい関係性を作るように進める
オンライン説明会の際に、「チャットを通じて質問をしてくださいね」と投げかけるものの、
実際には参加者がなかなかチャットで反応してくれない、書き込んでくれない、というお話をよく伺います。
説明会の担当の方は、同じような経験をされたという方も多いのではないでしょうか。
オンラインの場合、相手の反応が分かりづらく空気感が作りにくい、
やり取りが生まれにくくコミュニケーションが続かない、ということは課題となって来ます。
これらの対策としてお勧めをしたいのが、
「説明会が始まったタイミングで最初に<何かをチャットに入力する>という経験をしてもらう」ということです。
ここでは、誰でも答えやすい簡単な質問を投げかけて、
参加者全員にその回答を入力してもらうようにし、
入力された内容対して、説明会担当者は、その場でリアクションをちゃんと取る、ということを行います。
簡単な質問の例としては、
「名前(フルネーム)と誕生月」などが挙げられます。
ちなみに、この「誕生月」などは、たとえばこの後の説明会で、
意見共有する時間を設けた時、発表してもらう順番などにも活用できるのでお勧めです。
このように、1度簡単なやり取りを行ってから会社説明会を始めると、
アイスブレイクの役割も果たしてくれるので空気感を作りやすいです。
ぜひ試してみてください。
②<オンラインで集中できる時間>を踏まえた構成にする
この点につきましては、シリーズ第2回目の記事でも
「オンライン説明会の時間設計」というテーマで少し触れていますが、
オンライン説明会の場合、対面形式の説明会よりも参加者の集中力が継続する時間が短く、
1時間以上の集中力を保つことが難しいということがデータでも読み取れました。
だからこそ、まずは「説明会全体で1時間のパッケージにする」ということが大切です。
とはいえ、「1時間を丸々使って、企業側が一方的に説明をする」という構成になると、
参加者が集中力を保って話を聞き続けることができるかというと、それも難しいでしょう。
オンラインの場合は自宅の自室などから説明会に参加するという求職者も多くいらっしゃいます。
リラックスして参加していただける分、緊張感を持って話を聞き続けるということが難しい環境でもありますので、
一方的に長く話をしてしまったり、1つのテーマで延々と話をし続けるということは避けたほうが良いでしょう。
では、この1時間のパッケージはどのように構成していくと良いでしょうか?
この点も、シリーズ第2回目の記事でも少し触れましたが、
構成としては、「コンテンツは15分程度につき1テーマにする」というのがお勧めです。
そして、1つのテーマごとに「今の話を聞いてどう感じたか」ということを
参加者同士で意見交換してもらう時間を設けると、主体的な参加を促すことができますので、
ぜひ取り入れてみてください。
上記の流れを3回ほど行うと、だいたい50分程度になりますので、
5分〜10分の休憩を入れると、トータルで1時間ほどのパッケージになります。
このような参加者の集中力を考慮し、説明会内容を組み立てることで
求職者が参加しやすく、また印象に残りやすい説明会を行うことができます。
③説明会でしか得られない情報を発信する
それでは、肝心の説明会の具体的なコンテンツ(話材)はどのように用意したら良いでしょうか?
実は、
「説明会では、パンフレットやホームページに書いてあることをそのまま話している」
という企業は少なくありません。
しかし、多くの求職者の方は、説明会に参加するにあたって
事前にホームページやナビサイトなどで企業情報を収集してきています。
求職者にとっては、すでに知っている情報を並べられただけの説明会では興味喚起をされず、
印象にも残らなくなってしまいますし、説明会に参加する理由も無くなってしまいます。
だからこそ、オンライン説明会のコンテンツとしては、
「この説明会でしか得られない情報」を発信することが重要です。
「説明会でしか得られない情報」と言ってもイメージがしづらい、
という採用担当の方もいらっしゃるかもしれませんが、
大切なのは、「求職者がもっとも知りたいこと」を提供するということです。
具体的には「今、この会社はどうなっているか」という旬の情報などが挙げられます。
今はコロナショック以降、急速にビジネスモデルや働き方が変化してきています。
あなたの会社も、ホームページを公開したときや、会社パンフレットを作成した当時と比べて
変化してきていることも多いのではないでしょうか?
旬な会社の情報、今まさに行われているビジネスや働き方、というところは
求職者が最も興味関心を持っているポイントです。
「今この会社ではこんな働き方をしている人がいますよ」
「今こういうことにチャレンジをしていますよ」
という情報を伝えられる最も効果的なタイミングが会社説明会になります。
ぜひ、この点を踏まえてコンテンツを練ってみてくださいね。
④社内の雰囲気が<映像>から伝わるようにする
これまで何度もオンラインコミュニケーションの特徴として、
「社内の雰囲気が伝わりづらい」という課題についてもお話をしてきました。
この点については、ぜひオンラインの強みでもある「映像」を駆使して
できる限り社内の空気感を伝える工夫をしていただけたらと思います。
具体的には、
・説明会を社内から行い、会社の様子をしっかり映す
・できる限り多くの社員の方に登場してもらう
・地方支店や海外支店がある場合には、現地からも繋ぐ
などが挙げられます。
ちなみに「説明会を社内から行い、会社の様子をしっかり映す」という点ですが、
普段、オンライン会議でzoomやTeamsなどを使用している際には、
背景を「バーチャル背景」に設定している方も多いかと思います。
![](https://kokolozashi.com/wp-content/uploads/2022/01/18074fc9652f456003ea4dfa732322be.png)
(「バーチャル背景」の使用例)
オンライン説明会の場合、このようなバーチャル背景で使用してしまいますと、
肝心の会社の雰囲気がわかりづらくなってしまいます。
可能な限り、社内の様子を映し出すことができると、
求職者にとっては会社の雰囲気を感じ取りやすくなります。
その際、可能であれば、会議室から配信するのではなく、
採用担当者のデスクの席から配信してみる、なども面白いですね。
⑤質疑応答の時間を確保する
説明会の中で「質疑応答」の時間を設けているという企業の方は多いのですが、
実際には「せっかく時間を設けても特に質問が出ないで終わってしまう」という声もよく伺います。
質疑応答は、相互のコミュニケーションが発生する貴重な機会ですので、
活発なやり取りが生まれるような関わりを行っていただけたらと思います。
それでは、どのような工夫をしたら、参加者からの質問が生まれるでしょうか?
こちらについては、「質問内容のレベル感を予め伝える」ということが効果的です。
そもそも、「参加者から質問が出てこない」という状況が起こるのはなぜだと思いますか?
参加者としては、説明会の場での質疑応答の際に、
「どのようなことを質問して良いのかがわからない」と感じている場合が多いのです。
「こんなことを聞いていいんだろうか?」
「こんな質もをしたら評価が下がるんじゃないか?」
と感じてしまい、何も質問できない、という方もいらっしゃいます。
だからこそ、「どのような質問をしたら良いか」ということを
予め伝えておくことで、質問のハードルを下げることができます。
具体的には「過去にはこういう質問が出ていましたよ」ということを
最初に伝えてあげると、参加者が質問のレベル感を掴みやすくなります。
活発なコミュニケーションを発生させるために、ぜひ取り入れてみてください。
⑥説明会だけで全てを理解させようとしない
採用担当の方は、自社のことを知ってもらいたい、という思いで説明会を開催されています。
そのため、「説明会の中で全てを説明しよう」「会社のことを理解してもらおう」と、
内容を詰め込んでしまったり、参加者とのやりとりを説明会内で完結させようとしてしまう
ということも多く見受けられます。
しかし、求職者との接点は、必ずしも「説明会の開催時間のみ」とは限りません。
選考フローについて、シリーズ第2回の記事でも触れましたが、
選考フローの中で様々な接点を作ることで、情報提供をする機会を生むことができます。
![](https://kokolozashi.com/wp-content/uploads/2021/12/0c535c2aedfcd7ddbd42083d6c79ae79.png)
説明会の場合は特に「前後を活用する」ということはぜひ押さえていただけたらと思います。
事前に動画やサイト、資料などを共有しておき、
説明会当日までに準備してほしいことを予め伝えておいたり、
説明会にどのような社員が登壇するのか、といった情報を事前に伝えておくことで、
関係構築を促すことも可能です。
このような「事前」のやりとりについては
イメージが湧きやすく取り組みやすいかと思いますが、
「説明会の後」のやりとりも忘れてはいけません。
終了後にお礼メールを送る際に、一緒に補足資料や補足情報を送り、
説明会内容の理解促進につなげることもできます。
説明会以降の選考段階においても、
例えば「二次選考に進む前にこの動画を見てください」というような形で
より会社への関心を高めた上で選考に参加してもらう、なども良いでしょう。
志望度を高め、内定につなげるという意味では、
たとえば「最終面接の前に現場社員との座談会を設定する」なども効果的です。
座談会の場では、具体的な仕事についてなどをざっくばらんに話すことで、
求職者に「入社後のイメージ」を思い描いてもらった上で最終選考に臨んでもらうことができます。
このように、説明会だけが情報提供の機会、というわけではありませんので、
説明会だけで全てを伝えようとするのではなく、
選考フローの様々なプロセスの中に伝える機会を組み込んでいく、ということが大切です。
まとめ
今回は「オンライン説明会のクオリティをアップする具体的なテクニック」として
6つのポイントについてお伝えさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
ぜひ参考にしていただき、オンライン説明会の質を高め、
多くの求職者の方に響くコンテンツを作っていただければと思います。
全4回のシリーズで「オンライン説明会のやり方」についてお伝えをいたしました。
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